歯根端切除
神経を取り除いた歯の根の先端に歯根嚢胞という膿の溜まった袋ができることがあります。悪化すると、根管治療だけで完治させることが難しく、根の先端部分を外科的に切除する必要があります。これが歯根端切除です。抜歯はせずに、歯の一部だけを外科的に取り除くことで症状を改善させるのが特徴です。基本的に根が1本の前歯や小臼歯に対して行われる治療です。
ヘミセクション・トライセクション
上顎の奥歯には根っこが3本、下顎の奥歯は根っこが2本に分かれています。それらのうちの1本が重度のむし歯になったり破折してしまったりした場合に、切削器具で悪くなった方の根っこを切断して抜いてしまい、健康な根っこだけを残す治療法です。根っこを抜くと、治癒していく過程で骨が再生し、削り取った部分の骨欠損が改善されます。残った根っこは隣の歯と連結してブリッジにします。
※下顎の大臼歯の2本の歯根のうち、1本を切断して抜く方法をヘミセクションといいます。
※上顎の大臼歯の3本の歯根のうち、1本を切断して抜く方法をトライセクションといいます。
エクストリュージョン(外科的挺出)
エクストリュージョンとは、歯ぐきの中に埋もれている歯を矯正的に引っ張り上げて行う矯正治療の手法です。たとえば根っこだけが残っている状態の歯を抜かずに残す場合、残っている根っこを歯肉の上に引っ張り上げて露出させ、数ヶ月固定してから詰め物や被せ物などの処置を行います。この治療を行うことによって、他院では抜歯するしかないといわれた歯も抜かずに治療でき、結果としてその歯の予後がよくなることも期待できます。
自家歯牙移植
むし歯や破折などで、どうしても歯を抜くしかなくなった場合に、歯を失った箇所に親知らずなど自分の歯を移植する治療法です。親知らず以外には、位置異常などにより歯としての機能を果たしていない歯を移植することもあります。